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翻訳するのにTradosは必要?Trados レビュー

「翻訳にTrados ってホントに必要?」

これって結構切実な疑問なんですよね。

Trados導入を考えている今のあなたは…

「翻訳案件はぼつぼつ入ってくる。
でももっと大量に訳さなきゃ
翻訳一本で食べていけない。」

「翻訳会社の募集案件にもいつも Trados required とある。
こりゃあ持ってなきゃいけないのかも…」

「かといってTrados につぎ込んだ資金を回収できるほど
翻訳は儲かるのか??

などなど…。
迷いますよね。
だって
簡単にホイホイ導入できるような値段じゃありませんから。

私の場合もまさに同じ状況でした。

初めて導入したのは2011年でバージョンは2011です。

翻訳会社の募集要件「Trados」があまりに多いので
ひとまずあったほうがいいのでは、と思い切りました。
現在はバージョンアップされたTrados2017を使用しています。

今回は、Trados導入に迷っているあなたのために、
実体験を基にレビューしてみたいと思います!

「翻訳に Trados は本当に必要なのか?」

それでは早速行ってみましょう!

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Trados はどんなツール?

Tradosというツールは、
Google翻訳などのように
翻訳そのものをしてくれる機械翻訳ツールではありません。

ではどんなツールなのかというと、
用語に一貫性を持った訳文を翻訳者が速く大量に生成するのを
支援するツールです。

ここでは、Tradosの機能をざっとピックアップしてみます。


《Tradosではこんなことができる!》

  • 2カ国語を縦2列に表示
  • コピー&ペーストや検索機能がWordと同じ
  • 既に訳した文を繰り返し翻訳する必要がない
  • 似たような文章の使い回しが可能
  • 翻訳後は元のファイル形式で出力可能
  • 2つの言語の各ファイルから翻訳メモリを作成できる
  • プルーフリードのトラックチェンジ機能もWordと同じ
  • UIストリングの文字数制限を確認できる
  • 翻訳の進捗状況を%で表示
  • 機械翻訳などとの連動でもっと高速翻訳が可能に
  • フィルタリング機能が付いているので訳しやすい。
  • ざっと思いつくことを書いてみましたが、
    私の知らない機能がまだまだたくさんあると思います。

    機能を全て使いこなせたら
    すごいことになるんじゃないかと思いますが、
    この程度でも「翻訳作業がかなりはかどる感」を味わいながら
    支障なく使えています。

    Tradosが役立つ翻訳ジャンルは?

    ところで、Tradosが役立つかどうかというのは
    上のような機能が必要とされている翻訳ジャンルかどうか
    ということに一重にかかってきます。

    以下では一般的にTradosのような翻訳支援ツールが
    役立つ翻訳分野についてまとめてみましょう。

    用語や文章の統一が必要な翻訳分野

    【マニュアル系】

    マニュアルなどでは、同じ部品なのに
    いろいろな言葉が使われていたら混乱しますよね。

    「Screw」1つを取ってみても、
    ねじ、ネジ、スクリュー、スクリュ、ネイル、ピンなど
    クライアントによって表記方法は様々です。

    でも「ネジ」と決めたらいくら膨大なファイルであっても
    全ファイル「ネジ」で通さないといけません。

    このような時Tradosが用語や文章を記憶しているのでとても役立ちます。

    字数制限がある翻訳分野

    【スマホのアプリやソフトウェアなどのローカリゼーション系】

    5
    スマホのアプリや機器にインストールするソフトウェアの
    ユーザーインターフェースには必ず字数制限があります。

    Tradosには制限字数を超えたら警告してくれる機能があります。
    納品前にきちんと制限を守って訳せるので
    後からエージェントに修正してと言われることもありません。

    大規模なプロジェクト案件

    【グループで行うウェブサイトなどの翻訳】

    何十万ワードという膨大な字数のウェブサイトなどを
    数人でローカライズしていくような場合、
    訳者の間で訳文にバラツキがあってはいけません。

    こんな時、事前に翻訳メモリをエージェントが渡してくれます。
    これで一貫性のある品質を保つことができます。

    長期的なプロジェクト案件

    【長年継続して更新していくようなカタログやウェブサイトの翻訳】

    分量はそれほどでなくても、
    長期的に継続して更新していくような案件があります。

    たとえ以前一度訳した文章でも
    一年後に正確に同じように訳せるかというと
    これはなかなか難しいものです。

    こんな時に翻訳メモリを使えば、
    過去の訳文を必死に思い出そうとする必要はありません。

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    Tradosが不要な翻訳ジャンル

    どの翻訳分野でも、
    ファイルの管理の面でそこそこ便利なのですが、
    ITや技術系ほど役には立たない分野というのがあります。

    文学・芸術関係
    映画の字幕
    コピーライト
    新聞記事

    こういった分野は、
    同じ文章の繰り返しがほとんどないので
    お役立ち感があまりありません。

    こちらの分野を専門とする訳者の方へは
    Tradosをお勧めしません。

    自分で訳したほうが早いでしょう。

    まとめ

    それではまとめてみましょう!

    120まとめ – 翻訳するのにTradosは必要?

    リピートの多い文章の翻訳にはとても便利

    文学・映画・コピーライト・新聞記事などには不向き

    長期的・大規模なローカリゼーションには必須

    いかがでしたか?
    お付き合いいただきありがとうございました!

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    コメント

      • まーさ
      • 2015年 4月 17日

      こんにちは。今、IT関連企業で翻訳の仕事をしています。近く部署がクローズとなるため、フリーランスで翻訳をしてみたいと思っています。私の専門がITですので、Tradosを買おうと思っています。高価なので最初はトライアル版を買おうと思っているのですが、トライアル版ですと制限が多く、フリーランスの業務に向かないほどなのか、もしご存知でしたら教えていただけないでしょうか?

        • Amis
        • 2015年 4月 17日

        まーさ様

        こんにちは。コメント拝読しました。トライアル版というのは、
        年間使用契約のことでしょうか。
        それでしたら、スターター版という形で販売されています。
        トライアルだけでしたら30日間無料で試せますよ。
        コチラをご覧ください。http://www.translationzone.com/jp/products/sdl-trados-studio/free-trial.html

        スターター版についてのTradosサイトからの引用です。
        ココから
        ※注意事項※

        SDL Trados Studio Starter版は、Professional版を使用して作成したパッケージを翻訳するために用意されたエディションです。Starter版単独で翻訳をする場合には、翻訳メモリのサイズ制限(5,000分節まで)等、多数の機能制限がありますので、Professional版やFreelance版をご検討ください。
        ココまで

        スターター版(年間10000円)で業務に支障があるか、というご質問ですね。

        上記の注意書きの中に、制限が5000文節とあります。

        ちなみに今私が翻訳しているファイルは、
        文字数3157ワード(英文)で609文節です。
        なので、この分量のファイルが
        7から8ファイルで制限に達するということですね。

        マニュアルや取説などの場合、
        通常このくらいの分量のファイルが、
        何十ファイルも入ったパッケージが送られてきます。

        案件受注してから開けませんでは困りますので、
        本当にフリーで仕事をしようとお考えでしたら、
        始めからフリーランス版を導入されることをお勧めします。

        私の場合、
        最初は無料トライアルのまま、
        案件を受注できるかどうか様子を見て、
        大きい案件が取れた時に、その翻訳料で導入しましたよ。

        ご参考になれば幸いです。

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