アンダルシア寿司屋物語 (続き)
アンダルシアの寿司屋さんの話を、昨日時間切れで書けなかったので今日書きます。落ちがあるような話ではなく、なんとなく書き留めておきたいなあと思っただけの話なのですが…。
9月の中旬にスペイン、アンダルシアのマルベーリャに行ってきたのですが、そこには庶民の味方の巨大マーケットがあるんですね。ちょうど私が泊まったアパートから数分で行けるところにあったので、何度も通いました。
メルカート(市場)の正面です。
営業時間は朝8時から午後4時まで。初めて行った日は4時を過ぎていたので、アウト。ただしこの中に寿司屋を見つけたんですねー。「なんだよ、寿司かよ。」という非難の声が聞こえてきそうですが、私にとって外国の大都市や観光地は、それらしい日本の寿司に出会える絶好のチャンスなんです!
ロンドンに行けばもちろん日本人の握った寿司が食べられるのですが、ロンドン行くのとスペイン行くのと運賃やホテル代そんなに変わらないし、今ちょっとロンドン物騒でこわいし。ってどこでもヨーロッパは今こわいっちゃ怖いんですけど。
メルカートの内部です。新鮮なフルーツや野菜が一杯並んでいます。リンゴを買って朝ごはんにしました。
アンダルシアの地中海に面した港町は、とにかく魚介類が豊富です。写真の奥の方に魚屋さんが見えます。手前が問題の寿司屋です。魚屋の隣の寿司屋。ネタだけは新鮮だと思うので期待が持てそうです。しかし、寿司屋にスパークリングワイン!アウェイ感が漂います。
寿司屋の大将です。
初日に前を通った時は、チラ見をしながらいったんスルーしたんですが、彼はもちろんスペイン人。通り過ぎる時かけられた言葉は「オス!」でした。^^これは武道がらみの寿司屋だな、とあたりを付けました。なんとなくお互いを意識した瞬間でした。
しかし、どうしよう。
これで日本人じゃないことは決定です。どんな寿司なのかは皆目見当が付きません。だが新鮮なネタだけは隣に所狭しと並んでいるぞ。いやたとえ百歩譲って、シャリが大変なことになっていたとしても、さすがにどうやったってうまいんじゃないのか??
いろいろな葛藤を経た後、次の日意を決して寿司屋をもう一度訪ねることにしました。寿司屋は開いていましたが、大将は隣の魚屋で魚の販売にいそしんでいました(この時点ではっぴは未着用)。魚屋と寿司屋の兼業だったんですね。
一回前を通り過ぎて、なんか緊張するんでトイレに行きました。わはは。なんでこんなに緊張するの?でトイレから出ていよいよ寿司屋に向かうと、大将が裸になってはっぴに着替えている姿が見えました。(* ´艸`)
お互いに意識しまくりで、これでまずかったらどうしよう。と本当に心配になりましたが、ここまで来て引き下がるわけにはいきませんね。やっぱり。
ラブリーなはっぴ姿の寿司屋さんです。準備オッケー。写真撮っていい?っと尋ねると、「ああ、どいつもこいつも写真写真って、しょうがないなあ、いいよ」とのことでした。
寿司屋としては不思議だったなと思う点
1.まずですね。手袋するんですよ。手袋しなくていいんだよ、と言いたかったですがやめました。郷に入っては郷に従えですね。
2.御飯が熱い熱いと騒いでいた。アルミのボールにご飯が入れてあったのですが、炊いたばっかりだったようで、握ってから白いカッティングボード上にしばらく放置して冷ましていました。
3.お茶とか日本酒はなくて、ミネラルウォーターかビールだった。
彼(名前を聞かなかった)は、沖縄に9か月住んでいたことがある、と言っていました。魚屋さんなので包丁さばきは良かったです。
握り。マグロとエビを頼みました。1個1.5ユーロ。エビもマグロも隣の魚屋からそのまま持ってきた生きのいいネタです。エビはとろけるように甘かったです。
巻き物は、裏巻きしかなくて、いろいろな刺身やアボカド、クリームチーズなどが入っていました。値段は巻物を切った後の1ピースが1€でした。
お味
お寿司の味はちょっと酢がきつい気がしましたが、新鮮なネタを惜しげもなく使った巻物はとてもおいしかったです。値段は仕方ないですね。マルベーリャとマラガのどのバルと比べても高めです。でも一番おいしかったです。
右隣に座っていたスペイン人は、スペイン中寿司を食べ歩いたけど、この店が一番だ!と言っていました。巻物を頼んだ後、エビのてんぷらと、巨大な魚の切り身の焼いたのを注文していました。
左隣りはロシア人のカップルで、どうだ、おいしいか、日本人としてどう思う、どれが一番うまいんだと、しきりに聞いてきてうるさかったです。^^
というわけで、スペイン人の握る寿司を堪能した旅でした。
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