Trados 導入はもう遅い?昨今のCATツール事情は?
今Trados2017を使っていて、始めて導入したのがTrados2011です。
2010年にフリーの専業翻訳者になった時以来なので、およそ7年くらいたちます。
あの時点で導入したのは私にとってはまったくの正解でした。完全に元取りました。
しかしですね。
私の連れ合いは同じフリーの在宅翻訳者であり、私よりも稼いでいるにもかかわらず、Tradosを嫌い続け、今でも導入していないんですね。
Trados やCAT ツールがないと、翻訳できない私にとっては、全く信じられないことなのですが、連れ合いにとってはこれまでそれが正解だったということです。まあジャンルが違うんですけど。
ところが先日、何を思ったか突然「Trados買おうかな」といってきたんです。
今まで使ってなかったのが不思議でしょうがなかったんで、「買ったら」が私の答えなんですが…、
なんでそう思ったのかはやはり気になりますので、「なんで?」と聞いてみました。
連れ合いの回答:
1.Group Buyで今安く買えそうだから。
2.Tradosがないことで2案件立て続けに断られたから。
ふーん。なるほどね。
2010年当時の値段より今の方が価格が下がっているんで、買いやすいし、グループ購入があるなら利用すればもっと安く買えます。
買って使いだせばやっぱり手放せなくなるので、買えばいいんじゃないかなとは思うんですが。
Tradosがほぼ市場を独占していた状態の数年前なら、「買ったらいいと思う」が「絶対買うべきだよ」だったと思うんですよね。
でも最近のCATツール事情、いろいろ変わってきているんです。
Trados、MemoQ、Wordfast とかじゃなくて、エージェントが個々に開発したツールを使えって言われることが本当に多くなってきているんです。
基本的にはすべて同じように操作するんですが、開発者によってちょっとづつ違います。
今は、こういうエージェントが開発したCATツールを、ローカライズの全工程と連動させて、エージェント側の人件費と手間を極力抑えよう、発注からインボイスの発行まで外注にできることはすべてやらせようという風潮になってきています。
スーパーの無人レジのようなものです。スーパーに行き、買い物をし、支払いも、パッケジングもすべて自分でやる。
案件の受理、ソーステキストのダウンロード、オンラインのCATツールで翻訳、ターゲットテキストの同期またはアップロード、インボイス発行、これらの工程を翻訳者がすべて自分でやります。
エージェント側の無人化がどんどん進んでいます。たまに、あんたらほとんどなんにもやってないじゃん、と心底思います。
このフローの中では、担当者が原文をメールで送ったり訳文を受け取ったりしなくてはいけない Trados は使用されません。こういう自動化がますます進み、すべてのエージェントが独自のポータルとCATツールを使うようになると、Tradosの出番はなくなっていくんじゃないかなと思うんですね。
まあでも、道具はあれば便利なんで、ないよりはあったほうがいんじゃないかとは思いますけどね…。
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