翻訳者がイギリスで更新しています。英語学習、翻訳業、留学や移住情報。

トランスクリエーションとは?トランスレーションとのジレンマ

昨今、トランスクリエーションを要求するエージェントが多くなってきています。
トランスレーションとの違いを、
私は出力の仕方だと理解しています。


極端な例として、

品物の置いてある大きな販売店に入り、
トイレットペーパーをお金と交換しました



あなたの洞察力に極めて感謝いたします


ソースが英語だとして、
これをそのまま上のように訳した場合(逐語訳)、
とりあえず翻訳としてあってはいる。
そのままだから、
違っているとはいえない。


だからこの場合、
プルーフリード(誤字脱字文法の間違い直し)をする人は、
誤字脱字文法に間違いはないから
直すべきじゃないんですね。
とりあえず間違ってはいない。


でも、読んでいてどうですか?
こんなこと言いませんよね?
日本語として変です。
(あえて意図した場合・文学表現の場合などは除きます)


でも、翻訳の世界では、
こんなことが
実に頻繁に起こっているんです。
翻訳調と言われる所以です。

ごく一般の日本人は上のような場合、
大きいスーパーでトイレットペーパーを買いました。
素晴らしいご意見をありがとうございました。
と言います。


状況をいったん自分の中に入れて、
ターゲットとなる言語(この場合日本語)では、
普通どんなふうに表現されるだろうか、
と考えます。


そして自分の言葉で出力するのが、
トランスクリエーションです。
つまり、
よりターゲット寄りの訳し方といえるでしょう。

技術・医療・法律系の文書では、
これをやる機会はあまりないし、
やる必要はありません。

やらないといけないのはマーケティング分野です。
読み手の心に直接訴える必要があるので、
ローカルの言語と環境に
できるだけ合わせないといけない。

米国からの文書で、
「メキシコへのホリデー」なんてフレーズが出てきても、
一般的な日本人はあんまりメキシコ行きませんよね。


なんとしてもおかしいと思ったら、
「ハワイへのホリデー」とかに言い換えるってことです。
マーケティング分野では、
こういった言い換え(ローカライズ)が奨励されています。



ただ、プルーフリーダーがこれをわかっていないと、
ソースに忠実じゃないということで、
真っ赤に直されて戻されます。




こういう時、
めちゃくちゃへこんで、
本気で翻訳をやめたくなる、
というのは言わないでおきましょう・・・。
(って、言っとる!)


LINEで送る
[`yahoo` not found]
[`buzzurl` not found]
reddit にシェア


Sponsored link

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

スポンサードリンク

Get Adobe Flash player