翻訳会社もつらいのか…大きいエージェント小さいエージェント
最近つくづく感じるのは、
ベンダー(翻訳者)を人間扱いしてくれるような、
こちら側にとって『人道的な』エージェントは、
どんどん大きいエージェントに食われて、
買収されたりつぶれたりする傾向にあるということです。
徹底的にシステムを効率化して、
訳者を膨大に抱え、
とことんまでレートを値切り、
納期を削るような、
まあ、言ってみれば、
こちら側からみると
「えげつない」エージェントだけが勝ち残っていく…。
するとどうなるかというと、
翻訳者にとって、
とことん厳しい世界が待っているというわけで…
SEなどを頭脳の肉体労働と呼びますが、同じです。
フリーランスでありながら、
完全にフリーランスブラックになります。^^
まあでもフリーランスなだけましですか。
なにしろ断ればいいのですから。
でも断れば生きていけませんよね。
フリーランスなんですから。^^
よく翻訳のレートを値切られます。
でも、
10000ワードでも、
20000ワードでも、
一語一語訳していく、
訳者にとっては同じ作業なんですよ。
それを20000ワードだから、
10%値引きしろとか、
どういう意味か教えてほしいです。
20000ワードになったからと言って、
訳すスピードはさほど変わりません。
100ワード目も、
19999ワード目も一緒です。
それがニューワードなら、
いつでも条件は一緒。
楽になるわけでもないし、
効率がアップするわけでもない。
機械じゃないんです。
ディスカウントの意味をはき違えています。
私は機械メーカーに長く勤めていましたので、
大量生産によって、原価が下がり、
機械の効率も上がって、
単価も下がることはわかります。
そこでの値引き要求は納得がいくものですが、
翻訳作業などと一緒にすべきではありません。
だめなCATツールを使わせるな
今日、あるエージェントの、
ウェブプラットフォームとCATツールの使い方のウェビナーを受けました。
たっぷり1時間越えのウェビナーでしたが
ユーザー・アン・フレンドリーなことこの上もなく、
このポータルとツールを使うのは、
はっきり言って心からいやだと思いました。
その理由は、
操作の全てが直感的でなく、
Trados、MemoQ、Memosource、Acrossとかと比べてみても、
(タイプは違いますが、操作や機能はどれも同じようなものですから)
格段に使い勝手が悪いのです。
例えば、Tradosならば、
何の苦労もなくSave target asなどで、
もとのファイル形式に変換できるのに、
それができない。
翻訳作業の進捗も、
苦労なく見れるツールがほとんどなのに、
ごちゃごちゃと別画面に行く必要がある。
パスワードとcredential のオンパレードで、
作業がいちいち中断される。
直感的でなく、覚えなくては操作できない場合、
翻訳作業に集中できない。
一個一個の局面で、
いちいちマニュアル見なくちゃいけない。
ウェビナー途中からほぼ投げ出した気分になりましたが、
やはり、実際のファイルを手にして、
訳していくうちに、
ツールは肌身にしみてくるものでしょう。
しかし、ツールのマニュアル見ながら1時間、
とか私の場合普通にありますからね。
その間Tradosやほかのツールなら、
何百ワードも訳せますよね。
他のウェビナー参加者が、
「このクライアントを使わなきゃいけないのか」
と感涙もののナイスな質問を、
「それとなく」していましたが、
ぴしゃりと、
「NO」をもらってました。
うちでやるなら、これ使えってことですよね。
いたしかたありません。
私だって、
「ファイルダウンロードして、
Tradosで訳してもいいですか?」
と聞きたい気持ちを、
ウェビナーの間中必死で抑えていたんです。
おしまい。
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