フリーランス翻訳者の収入は?翻訳で食べていけるのか?
私の場合、翻訳料はソーステキスト1語でいくら(£、US$、€)というレートを選択しています。
仮に、0.05€/EN word(かなり低めです) とすると、1000 語で 50€(約 6000円くらい?)です。
ソーステキスト1000 語というのは A4 用紙 1 ページを 250語とすると、4ページほどですね。
キャパは、切羽詰まって訳すとたくさん訳せますが、普通は品質のことを考えても1日2000語から3000語くらいでしょうか。
1日2000語訳す(約8ページ)とすると、上のレートでは日給12000円ほど、ということになります。
稼働日22日で毎日2000ワード訳すと1ヶ月のキャパは、2000ⅹ22=44000ワードですね。
上のレートで1ヶ月の収入を計算すると、0.05x44000=2200€(約264000円)
フリーランスで1か月に稼げるおよその金額です。このラインがキープできれば、なんとなく食べて行けるんじゃないでしょうか。
もちろん、レートをもっと上げれば、この金額は上がります。
これだけの案件が入らなければ、この金額は下がります。
安いレートで見積もると、案件取れるかもしれませんが、自分がつらいですね。私も昔はぎりぎりで見積もっていました。
でもね。レートが安くても、高くても、訳者はみんなその時自分にできる最善の訳文を作ろうとしているんですから、きちんとしたものを出せるなら自分を安売りする必要はないと思います。
他にも、翻訳料の単位はいろいろあって、「ソース1000ワードいくら」とか「ターゲット何語でいくら」とか「ソース1ページいくら」とか「1時間いくら」とかがあります。
でも「1ページいくら」というのはフォントサイズが違うと大違いなので曖昧過ぎますし、「ターゲット何語でいくら」なんていうのは、じゃ長く訳せば儲かるならできるだけ長くしちゃおう!という悪い心が芽生えてきそうだ…というよりは、訳文の品質に問題が出るでしょうね。
「1時間いくら」というのは、ソーステキストの内容がものすごくシンプルで大量にある場合などに提示されたりしますが、私は好きではないので大抵は断ります。こういう場合はエージェントが「40時間でこれだけの分量を訳してください」とか言ってくる場合がほとんどなので、なんか心理的に苦しくなってくるんですね。
この時間内に必死に訳さないといけませんよね。そしてこの指定された時間より余分に時間がかかると損した気分になりますね。この時間制限を過ぎると「ここまでで出そうかな」といつも思いますし、実際に「この時間ではここまでしかできませんが、続けますか、やめますか」と尋ねたこともあります。
この案件のために、メールをやり取りしたり、ファイルを開いたり(送られたファイルが壊れていて再送を頼んだり)、質問の返事を待ったり、STをダウンロードしてフォルダを作ったり、リターンパッケージ作ったり(作れなくて困ったり)、こういう時間はもちろん入ってないです。
私たちはフリーランスなので、サラリーをもらっているエージェントの人たちとは違います。時間=お金です。時給を提示するなら、翻訳以外にその案件にまつわる作業が発生したら、その分も支払ってほしいものだと思います。
全般的な翻訳料は、私の体感*では大きく2方向に分かれて推移している気がします。
(*本社が外資で日本にその支社があるエージェントとしか取引していないので、これは日本以外のエージェントの話です)
1. 単価がどんどん下がるエージェント群 (安く速いことが求められます⇒訳文も心も荒廃します)
2. 単価が高いレベルで維持されるエージェント群(無茶なことは言ってきません。また訳者を人間扱い((´∀`*))してくれます)
最初は1.なのか2.なのか分からずやみくもに仕事をしますが、だんだんわかってきます。
で、1.の方はどんどん断って、2.の方の案件を取っていくようにすると、2.ばかりになって仕事がどんどんやりやすくなります。
2.の方はレートが高く納期もめちゃくちゃなことを言ってくることはなく、クライアントも大企業ばかり、担当者は丁寧で応答が早く、自社ポータル、全体的なワークフローもきれいに整っている場合が多い、といいことずくめです。こういう環境では、時間がとれて良い訳文ができるので、クライアントにも喜ばれリピートされます。
あーやっぱりそうか〜と思いました。書いてくださってありがとうございます。私もこれ同じです-「*本社が外資で日本にその支社があるエージェントとしか取引していない」
Reikoさん
コメントありがとうございます。本当にエージェントによって様々ですね。仕事をしやすい環境に自分でしていくことが大切だと思います。