翻訳の仕事をしていると、
たびたびプルーフリードの仕事が来ます。
プルーフリードというのは、
既に訳されたものをチェックする仕事です。
通常は、ソーステキスト(私の場合英語)は読まずに、
日本語に訳されたものだけをチェックします。
例えば、誤字や脱字がないか、
タイピングミスがないか、
など、
最終チェックにあたるわけです。
このため、
レートは、普通時間給となり、
1500ワードくらいなら、
1から2時間で仕上げます。
きちんとした訳者さんが訳したものなら、
この時間内に収めることができ、
コメントや査定もできて、
何も問題はないのです。
ところが、
あがってきた翻訳があまりにひどい場合、
原文の英語と首っ引きで、
始めから訳しなおさなければなりません。
これはもう、プルーフリードではありません。
つまり、翻訳が、
プルーフリードできる段階まで、
仕上がっていないことを意味します。
そして、私は、
このぎりぎりのレベルの翻訳を、
プルーフリードすることが、
大の苦手なのです。
なぜか。
まず、訳文がスラスラ読めないので、ストレスがたまります。
次に、読み直せば、
小学生でも間違いがわかるような翻訳を、
なぜ納品するんだと、
怒りがふつふつと湧いてくるんです。
もうそれがうつりそうな気がするので、
極力読みたくないです。
こんな仕事は、
ネガティブな影響しか受け取れません。
最近たて続けに2案件、
似たような翻訳を送ってきた担当に、
メールしました。
プルーフリードの定義とともにです。
そして、もうこれ以上、
こことはお仕事はしないという心づもりで。
今後は、
プルーフリードの段階になっていない翻訳は、
訳者に差し戻しますと伝えました。
プルーフリーダーが、
最初から最後まで訳しなおすというのは、
筋が違いますから。
すると、了解したという返事が返ってきました。
そうはいうものの、
今後は、案件がここからは来ないでしょう。
そのほうがいいのです。
おそらく、ものすごく安いレートで、
訳させているのだと思います。
だからきちんと訳せる訳者さんが、
訳していないんです。
もうこれなら、
いっそ機械翻訳の方がましかも、
というレベルです。
この業界、
この先どんどん二極化していくでしょう。
きちんとした料金を支払い、
合理的な納期で案件を提供する翻訳会社。
短いターンアラウンドと、
激安の翻訳料金で、
翻訳者を使い捨てする翻訳会社。
見極めが大事だと思います。
【後日談】
このエージェントから再びメールが来ました。
この案件のウェブサイトの、
俯瞰的なチェックをしてほしいというものでした。
クオリティは低く、
誤訳が多数見つかりました。
誤訳は、翻訳者にとって、
1つでもあれば致命的なミスです。
プルーフリードをする時は、
心の底から、
修正がなければいい、
と思って臨んでいるんです。
すっと読めたら、
時間もかからず、
ストレスもなく、
それが最高です。
難しいことを言っているんじゃなく
自然に読めればそれでいいんです。
納品する前に、
一度読み返してみればいいのに、
とつくづく思いました。
すごく良くわかります、
経営してるのがどこかで2流MBAでも取ってきて、量販店のようなビジネスモデルを当てはめて翻訳者を使い捨てのコマのようにしか考えてないんでしょう、
レベルの低い翻訳のプルーフリードほどやりたくない仕事はありませんね。なんでこんな適当なやっつけ仕事してるやつの方が高い翻訳料をもらうのか?
先日90%手直しが必要なプルーフリードがあったので金を倍よこせと言ってやりました、一から全部訳し直しました、
マーケティング資料を訳すのに、売りたい気持ちが全然伝わってこないやる気のない翻訳になってる、というかその前にあからさまにおかしい日本語なので訳した奴ネイティヴじゃないんじゃないか?と言ったらどうやらネイティヴだったようで唖然としましたが、いかにマトモでないことをとうとうと説明したら、話のわかる会社で本当に請求額払ったので今後も付き合ってやります。
翻訳者のコミットメントが明らかに低すぎる。それは価格競争でしか勝負する知恵のない浅はかな翻訳会社が量販店ビジネスモデルを当てはめ翻訳者に正当な報酬を支払わないからです。
海外から買ったものの説明書とか、海外のサイトの日本語ページとか、あまりにも酷い日本語の文章が目立ちますが、業界全体の質が落ちてきていますね。費用より大切なものあるでしょう?って思いつかないんですかね。めちゃくちゃな翻訳した文章で新たな商機に繋がるわけないんですけどね。
二度と付き合いたくない会社が何社もあります。