私は長くメーカーに勤めていたので、PO (Purchase Order 受注)、Order Ack(受注確認)そして Shipment/Delivery (納品)、Invoice (インボイス)と、輸出入ルールを含む厳しい規制の下で仕事をしてきました。
つまり、POが無ければこの世に取引契約は存在しない、ということです。
ところが、フリーランスの翻訳者になって、このビジネスの常識をまったく無視した業界があるのを身を持って体験したんですね。
それが翻訳業界です。
とにかく、POを出さない。
催促しても出しません。
多くののエージェントが、ワード数と納期だけメールしてきます。
つまり自分たちが訳者に伝えたい情報だけです。
お仕事受けます、とメールしてもPOを出さない。
レートも知らせてこない。
ひどい場合は、納品してもPOを出さない。
納品しても受領しましたのメールもない。
みなさんは、ある仕事をするのに、その料金がわからない状態で仕事をしますか?
翻訳業界は、これがまかり通る世界です。
もちろんそうでないエージェントもたくさんあります。
でも同じくらいこういうエージェントも多いです。
まあならず者みたいなものです。
こういうエージェントからの案件を1件でも間違って受けてしまうと、よしんばPOを催促してインボイスを送信するところまでこぎつけたとしても、よっぽどでないと支払ってもらえません。もうこれは、99%そうなります。
少額の案件で、こういうタイプのエージェントにあたったら、私はもうさっさとインボイスしてこの件は忘れます。ないものと思ったほうが、精神衛生上よほどいいです。
こういうエージェントとはさりげなく縁を切りましょう。