Memsourceをよく使うのですが、
このツールは、翻訳エージェントと翻訳者をオンラインでつなぐポータルとして、そしてTradosのようなスタンドアローンのCATツールとしての両面を持っています。翻訳者の方は、ベーシック機能を使っている分には基本的に無料で使用できるのがうれしいです。
私が使ったことのあるツールでこのツールとよく似ているのは、Acrossというツールなのですが、現在のところ Across に不具合が出てうまく使えず少々腹が立っているので、今回は Momsource 中心でお話ししようと思います。
Memsourceの機能
1.仕事の受理/拒否の選択機能
仕事を受けるか受けないかを選択するボタンが付いています。受けるとソーステキストをダウンロードできるようになります。
2.ST、リファレンスファイルのダウンロード機能
ST(ソーステキスト・原文)、参考資料、オリジナルの書式でのST、ターミノロジーなどをポータルサイトからダウンロードできます。STファイルの形式は.mxliff、ワードなどですが、デスクトップエディターで翻訳作業をする時は、バイリンガルの.mxliffファイルを選択してダウンロードします。 このような機能はTradosにはありません。
3.TTのアップロード機能
通常デスクトップのエディターでダウンロードしたSTを翻訳しますが、オンライン状態で作業をするとデスクトップでの作業を保存するたびに、自動的にオンラインエディターにも同期します。進捗状況がパーセンテージであらわされ、100%になると作業終了です。
この機能は翻訳エージェント側が、作業の進捗状況を知るのに便利でしょう。納期に間に合うかどうか訳者に確認することなく、一目でわかりますからね。
4.タスク終了のお知らせ機能
プルダウンメニューで、翻訳者が作業終了したことを、プルーフリーダー/翻訳エージェントに知らせることができます。
5.デスクトップでの編集機能
大きな問題はありませんが、セグメントごとにしかコピーできないことが少し使いづらいです。またタグが自動で挿入されないので、自分でSTからコピペする必要があるのも面倒です。99%マッチといっても、不正なタグまで一緒についてくるので結局編集する必要があり、何のための99%マッチかと思います。しかし良い面もあります。フィルター機能があることを最近知って、大変重宝しています。ロックされたセグメントを除外してロックされてないセグメント(翻訳すべきセグメント)だけを表示すると、見やすく作業がはかどります。
6.オンラインでの編集機能
デスクトップで翻訳して保存すると、オンラインのエディターにも同期するはずが、2,3のセグメントが空白のままになるという不具合がよく発生します。この場合、100%にならないので作業を終了できません。なんで終わっているのに100%終了にならないんだろうと不思議に思い、オンラインのエディターのほうを見たら、空白のままのセグメントがあったので、このことに気づきました。また、オンラインエディターでの入力はとてもやりづらいです。かつて、日本語が全く入力できない時期もありました。これを主張しても日本語のようなマイナー言語の不具合はなかなか信じてもらえず、長い無駄な時間を費やし、悔しい思いをしました。